韓国の元「慰安婦」が東京で会見、今も是正を求める
(CNN) 金福童(キムボクドン)さんは89歳になり、視力や聴力も衰えた。介助がなければ歩くことはできず、健康状態の悪化は認識している。それでもかつてどれほどの苦難を経験したか訴えたい一心で韓国・ソウルから来日し、東京の外国特派員協会で記者会見した。
旧日本軍の性奴隷として扱われた1940年から5年間の悪夢は、今も鮮明によみがえるという。「私の唯一の願いは、過去についての記録を正すことだけ」
当時住んでいた韓国の村に日本人がやって来たのは、金さんが14歳の時だった。自宅と家族から離れて縫製工場で働くほかに選択肢はなかったといい、「行かないという選択肢はなかった」「行かなければ反逆者とみなされていた」と振り返る。
しかし金さんによると、行った先は縫製工場ではなく、複数カ国にある日本軍の売春宿だった。30人ほどの女性と一緒に1つの部屋に閉じ込められ、女性が強要されてはならないことを強制されたと金さんは話す。
「私たちの仕事は兵士の活気を取り戻すことだった」「毎週土曜日には正午から行列ができ始め、午後8時まで続く。いつも兵士の長い行列ができた。日曜日は午前8時から午後5時までだった。再び長い行列ができた。人数を数える機会はなかった」
それは非人間的で極度の苦痛を伴ったと金さんは言い、「終わったあとは立ち上がることさえできなかった。あまりに長時間続いた。日が暮れるころまでには下半身がまったく使えなくなっていた。最初の1年以降、私たちはまるで機械のようだった」と振り返る。
長年の虐待で身体には恒久的な影響が残り、子どもを持ちたいという夢をかなえることはできなかったと金さんは涙を流した。
「最初の頃は私が従順でないという理由で日本軍に殴られることもあった」「私の苦しみはどんな言葉でも言い表せない。今も薬がなければ生きられず、常に痛みを感じる」
金さんは、日本に対する謝罪要求活動を展開している非政府組織(NGO)の1員。過去には個人的に謝罪した首相もいたが、それだけでは到底十分ではないと同NGOは主張する。
日本政府は1965年に韓国と交わした日韓請求権協定でこの不正行為に対する法的責任問題は解決済みとの立場を変えていない。
金さんの証言は、いわゆる「慰安婦」だったというほかの女性たちの証言と一致する。米首都ワシントンでは米国を公式訪問した安倍首相に対し、性奴隷だったという韓国の李容洙(イヨンス)さんが涙ながらに公式謝罪を求め、韓国人と中国人を中心とする推定20万人の慰安婦が日本の性的奴隷にされたと訴えた。
多くは既に死亡したが、生存者は個々に補償を求めている。安倍首相に対しては、慰安婦は正式な軍事政策の被害者ではなく売春婦だったと考える保守層をなだめるために、過去をかき消そうとしていると批判する声もある。
(2015/04/29-16:22)時事
「安倍首相、議会演説で謝罪を」=元慰安婦らが集会−韓国
29日、安倍晋三首相の米議会演説での謝罪を求め、ソウルの日本大使館前で行われた元従軍慰安婦らによる集会
【ソウル時事】元従軍慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」は29日、ソウルの日本大使館前で集会を開き、安倍晋三首相が同日の米議会上下両院合同会議での演説で、韓国への植民地支配を謝罪するよう求める声明を発表した。元慰安婦ら約100人が参加した。
声明は安倍首相の訪米に関し、「資格がないのに(日本に)免罪符を与える米国の舞台演出も、その舞台に立つ安倍首相のショーも、目をつぶるには日本の戦争、植民地犯罪の責任があまりに重い」と日米双方を批判。いわゆる従軍慰安婦問題で国家責任を認め、法的責任を果たすよう日本政府に要求した。
2015.04.30 CNN
安倍首相が米議会演説 「慰安婦」問題で抗議集会も
ワシントン(CNN) 訪米中の安倍晋三首相は29日、米議会上下両院合同会議で演説し、アジアの安全保障や国際外交の舞台で日本が関与を深める姿勢を打ち出した。
役割拡大の要となるパートナーシップ協定(TPP)について安倍首相は、一部の懸念を払拭(ふっしょく)しようとするオバマ米大統領と同様の理論を展開し、TPPは環太平洋地域の貧しい国々の労働環境や環境基準を向上させる好機になると指摘。こうした国は中国の経済圏にのみ込まれる恐れがあるとの見方を示し、「太平洋の市場では、過酷な労働や環境への負荷を見逃すわけにはいかない」と訴えた。
今年は戦後70年の節目に当たり、安倍首相はアーリントン国立墓地やホロコースト記念館も訪問。演説では「歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なもの」だと述べ、「日本国と日本国民を代表し、先の戦争にたおれた米国の人々の魂に深い一礼をささげる」と語った。同時に日本経済の再生や安全保障に果たす役割の拡大を目指す姿勢を打ち出し、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」という新しい旗印を掲げると宣言した。
一方、議事堂前では抗議集会が開かれ、第2次世界大戦中に旧日本軍が韓国と中国で「慰安婦」を使ったことに対し、安倍首相が直接謝罪しなかったと批判した。安倍首相の演説では間接的に、「紛争下、常に傷ついたのは女性だった。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはならない」と言及するにとどめた。
2015年4月30日 東京・朝刊
首相、慰安婦問題には触れず 「反省 歴代首相と同じ」
29日、ワシントンで日本の首相として初めて米議会の上下両院合同会議で演説する安倍首相。後列はバイデン副大統領(左)とベイナー下院議長=共同
【ワシントン=中根政人】安倍晋三首相は二十九日午前(日本時間三十日未明)、日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で演説した。焦点の歴史認識に関しては、先の大戦への「反省」を表明。「アジア諸国民に苦しみを与えた」と、中国や韓国などに配慮した。米国で関心の高い従軍慰安婦問題には言及しなかった。
一九九五年に村山富市首相(当時)が発表した戦後五十年談話に盛り込んだ「植民地支配と侵略」や「心からのおわび」は、今回も触れなかった。二十二日にインドネシアで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の首脳会議演説で先の大戦に関して用いた「深い反省」は、「痛切な反省」とするが、英文では同じ「deep remorse」と表現した。その上で「痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」とし、「これらの点についての思いは、歴代首相と全く変わるものではない」と述べた。
従軍慰安婦問題は、二十八日の日米首脳会談後の共同記者会見で米側の記者が質問し、首相は河野洋平官房長官談話を見直さない考えを明らかにした。米議会演説では「紛争下、常に傷ついたのは、女性だ。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはならない」と訴えたが、慰安婦問題に直接は言及しなかった。
自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定は「真に歴史的な文書に合意した」と評価。新指針を裏付ける安保法制見直しでは「戦後初めての大改革だ。この夏までに成就させる」と、今夏に関連法案を成立させる考えを示した。
アジア太平洋地域の安全保障については、中国の台頭を踏まえた米国のリバランス(再均衡)政策を支持し、日米同盟を基軸として豪州やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、韓国とも協力関係を深めていくことを強調した。
環太平洋連携協定(TPP)については「単なる経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義がある」と早期妥結を目指す姿勢を鮮明にした。
2015年05月01日 07時43分 読売
首相「歴史認識」言葉選ぶ…侵略・おわび避け
安倍首相は、米議会上下両院合同会議での演説で、今夏発表する戦後70年談話を見据え、歴史認識に関する言葉遣いに腐心した。
「痛切な反省(deep remorse)」や「深い悔悟(deep repentance)」といった印象的な言葉を使う一方で、「侵略」や「おわび」への言及は避けた。自身の信条と過去の首相談話を引き継ぐ立場との両立に知恵を絞っているようだ。
米議会演説は英語で行われ、首相は第2次世界大戦について、「deep remorse」と発言した。政府はこれを「痛切な反省」と日本語訳した。「痛切な反省」は戦後50年の村山首相談話で使われたのと同じ表現だ。先のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)首脳会議での演説では、首相は日本語で「深い反省」と述べ、「deep remorse」と英訳された。
英語の表現は同じだが、日本語の表現は、バンドン会議での「深い反省」から、議会演説ではより踏み込んだ「痛切な反省」に変わったわけだ。
変更の理由について、首相同行筋は、「共に『心の奥深くから反省する』ということであり、前後の文脈から決めただけだ」と話す。ただ、米国でも首相が歴代内閣の談話を引き継ぐかどうか注目が集まっていたことを踏まえ、村山談話に足並みをそろえたとみられる。
首相は29日に現地で収録された日本テレビの番組でも、「日本の(戦後の)歩みはこの痛切な反省の上にある」と語った。
一方、首相は第2次世界大戦の米国の犠牲者への追悼に関連し、「深い悔悟(deep repentance)」という言葉を用いた。首相周辺は「『反省』の『remorse』よりも重い意味として使った」と解説する。
「repentance」は、宗教的な用語として使用されることが多く、「ざんげ」に近い、悔い改めるといった意味合いがある。聴衆である米連邦議会議員や米国民を意識したものとみられる。実際、首相が議会演説で、左手を胸に当てながら「深い悔悟」の念を示し、追悼の言葉を述べると、出席した議員らからスタンディングオベーションが起こった。
ただ、首相が「侵略」や慰安婦問題に触れなかったことについては、欧米のメディアにも厳しい見方がある。
2015年4月30日11時43分 朝日
「前向き」「失望した」 安倍首相演説、米で評価二分
訪米中の安倍晋三首相は29日、米議会の上下両院合同会議で日本の首相として初めて演説した。米国では歴史に関する言及に注目が集まり、演説を評価する見方と不十分という声の両方が上がった。 安倍首相は演説で、ワシントンの第2次世界大戦記念碑を訪れたことを紹介し、米軍の死者に対して「深い悔悟を胸に、黙?(もくとう)を捧げた」と述べた。演説を聞いた議員からは、「第2次世界大戦が引き起こした不幸を認識したもので、適切だった」(スティーブ・コーエン下院議員)などの声が上がった。ただ、元米兵捕虜の遺族団体「バターン・コレヒドール防衛兵記念協会」のジェン・トンプソン代表は、「旧日本軍による捕虜への虐待に言及しなかったことに失望した」と話した。
また安倍首相は演説で、女性の人権侵害のない社会の実現を訴えた一方で、慰安婦問題には直接言及しなかった。 下院外交委員会・民主党筆頭委員のエリオット・エンゲル下院議員は声明で、「戦時中の米国人犠牲者に対する言葉は純粋で前向きなものだった。アジアの国々への行為について、これまでの首相の立場を守ると確認した」と一定の評価をする一方で、「元慰安婦の女性への謝罪には至らなかった。この問題ではもっと直接的な言及ができたはずだ」と指摘し、歴史問題解決のための一層の取り組みを日本に求めた。
また、マイク・ホンダ下院議員は会見し、「慰安婦に謝罪をしなかったことは恥ずべきことだ」と不満を表明した。議会の周辺では韓国系アメリカ人の団体などが抗議活動をして謝罪を求めた。韓国から米国を訪れた元慰安婦の女性も、議場で首相の演説を聞いた。
AP通信は、「安倍首相は慰安婦への謝罪はせず、代わりに『自らの行いがアジア諸国に苦しみを与えた』と話した」と報道。ワシントン・ポストは、「安倍首相は第2次世界大戦の米国人犠牲者に哀悼を捧げて議場から拍手を浴びたが、中国や韓国の反応は厳しい」と報じた。(ワシントン=大島隆)
2015年4月30日 東京・夕刊
首相演説 米議員は評価 慰安婦問題「謝罪ない」と批判も
【ワシントン=青木睦】安倍晋三首相が二十九日に米上下両院合同会議で行った演説は、米議員の間では評価する声が多かった。一方で、従軍慰安婦問題に言及せず、謝罪もしなかったことへの批判も聞かれた。
首相は演説で、第二次大戦での米戦死者への哀悼の意を表明した際など、議員が立ち上がって拍手を送るスタンディングオベーションを十回ほど受けた。ひときわ拍手が大きかったのは「紛争下、常に傷ついたのは女性。女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはならない」と話したときだった。スティーブ・コーエン下院議員(民主)は「慰安婦問題を語ったに等しい」と評価した。
コーエン氏はまた、首相が演説でこの日にワシントン市内の第二次大戦記念碑を訪れたことに触れた上で、「歴史とは実に取り返しのつかない苛烈なものだ」と述べた部分を、旧日本軍による真珠湾奇襲作戦への謝罪と受け止めた。
ジョン・ディレイニィー下院議員(民主)は、首相が締めくくりに「米国が世界に与える最良の資産は希望」と指摘した点を高く評価。「米国への最大級の賛辞だ」と指摘した。
一方、マイク・ホンダ下院議員(民主)は慰安婦問題への謝罪がなかったことを「ショッキングで恥ずべきことだ」と非難する声明を出した。演説に先立ち議事堂前では、韓国人元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(86)や韓国系米国人団体、ホンダ氏ら約二百人が謝罪要求の抗議集会を開いた。李さんは議場で首相の演説を傍聴。ホンダ氏は声明で「謝罪を受けないまま李さんが帰国せざるを得ないことに、胸が張り裂ける思いだ」と語った。
中国系のジュディ・チュー下院議員(民主)も声明で、慰安婦問題への言及がなかったことを「とても失望した」と批判した。
2015年04月30日 11時49分(最終更新 04月30日 13時56分)毎日新聞
安倍首相演説:元慰安婦支援団体が批判「責任回避だ」
安倍晋三首相の演説を聴くため連邦議事堂入りする元慰安婦の李容洙さん(中央)。マイク・ホンダ下院議員(左)とイスラエル下院議員(右)が付き添った=ワシントンの米連邦議事堂前で29日、和田浩明撮影
【ワシントン和田浩明】安倍晋三首相は29日の演説で、第二次世界大戦に対する「痛切な反省」を表明しアジア諸国に「苦しみ」を与えたなどと述べたが、直接的なおわびの言葉はなく、旧日本軍の元従軍慰安婦を支援する米国の韓国系団体や一部議員、元米軍人団体からは「責任回避だ」「謝罪すべきだ」との批判も聞かれた。
安倍首相は歴史問題で歴代内閣の立場を引き継ぐと表明したが、会場の米連邦議事堂付近で抗議活動をしていた「ワシントン慰安婦連合」の徐玉子(ソ・オクチャ)顧問は「首相が代われば立場が変わるかもしれない」と指摘、国会決議などによる確認を求めた。
元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(86)を傍聴に招いたマイク・ホンダ下院議員(民主党)は、慰安婦問題で謝罪がなかったと指摘した上で「安倍首相が日本政府の(戦争)責任から逃れ続けていることに衝撃を受けた」と反発。安倍首相が女性の人権擁護の必要性に言及したことに触れ、「(まずは)過去の罪を認めなければ歴史は繰り返す」などと批判した。
第二次大戦中に旧日本軍が米軍などの捕虜に対してフィリピンで強いた「バターン死の行進」生存者らの団体「全米バターン・コレヒドール防衛兵の会」は声明で、首相が米兵死者に哀悼の意を表明したことに関し、「日本が始めた戦争の犠牲者に同情を寄せることに深い憂慮を覚える」として謝罪を伴わない「反省」を批判した。
2015/04/30-06:26 時事
韓国系団体、安倍首相演説を批判=傍聴の元慰安婦は無言
米ワシントンの連邦議会議事堂で29日、安倍晋三首相の演説を傍聴するため議事堂内に入る韓国人元慰安婦の李容洙さん(右下)と民主党のマイク・ホンダ下院議員
【ワシントン時事】安倍晋三首相の29日の米議会演説に合わせて、韓国人元慰安婦の李容洙さん(86)や韓国系米国人団体ら約200人がワシントンの連邦議会議事堂前で抗議集会を開いた。同団体の男性関係者(53)は、首相が演説で「アジア諸国民に苦しみを与えた」と述べたことについて「誰が苦しんでいるのか、具体的に語ってほしかった」と批判した。
李さんはこの日、民主党のマイク・ホンダ下院議員に招待されて議場の隅で演説を静かに傍聴。その後、記者団に感想を聞かれても「何も話したくない」と気持ちを明かさなかった。李さんは先に、いわゆる従軍慰安婦問題に関して「安倍首相による日本政府の公式謝罪」などを求めていた。
ホンダ議員は演説後に記者会見し、「安倍首相は『希望』(の日米同盟)を強調したが、過去を認識できない指導者が将来どこまで成功できるのか疑問だ」と批判した。
また、同じく議場で演説を聞いた元米兵捕虜の男性は「気持ちを整理する時間がほしい」と話すにとどめた。男性は旧日本軍がフィリピンで米兵捕虜らを歩かせ多数が死亡したとされる「バターン死の行進」の生存者。首相は演説でバターンに言及し、「戦争に倒れた米国の人々の魂に深い一礼をささげる」と述べた。
2015/4/30 11:03 日経
韓国人元慰安婦女性、安倍首相演説を批判
【ワシントン=川合智之】安倍晋三首相の29日の米議会上下両院合同会議での演説を傍聴した韓国人元慰安婦の李容洙さん(86)は、韓国系米国人団体を通じて批判声明を出した。 「安倍首相が議会演説で慰安婦問題に言及しなかったのは、私やこの問題の存在を恐れているからだ」と指摘し「恥を知らず真実に背いてうそをついた」と述べた。
慰安婦問題に反対している日系のマイク・ホンダ下院議員も29日、安倍氏が慰安婦問題で謝罪せず責任を回避したとして「衝撃的で恥ずべきことだ」と非難する声明を発表した。安倍氏が「女性の人権が侵されない世の中を実現しなければいけない」と述べたことを評価しつつも「過去の罪を認めなければ歴史は繰り返される」と指摘した。
2015年04月30日10時14分 中央日報日本語版
慰安婦被害女性、安倍首相の演説見守った後「自ら滅びるだろう」
旧日本軍慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは29日(現地時間)、日本の安倍晋三首相が米議会上・下院合同演説でも慰安婦の強制動員を認めず謝罪もしなかったことに対して鬱憤を爆発させた。
李容洙さんは安倍首相の演説直後、韓国聯合ニュースのインタビュー取材に応じ、「安倍が(慰安婦証言が初めて出て以来)過去20年間余り、嘘だけをついて謝罪をしてこなかったが、今日の議会演説でも最後まで謝罪をしなかった」とし「安倍、その嘘つき病、歴史を否定する病気を直さなければ、あなたは自ら滅びるだろう」と批判した。
李容洙さんは同日、民主党所属のマイク・ホンダ連邦下院議員(カリフォルニア)の招待で下院本会議場入りし、安倍首相の演説を見守っていた。
2015年5月1日 東京・朝刊
慰安婦問題「ほのめかしただけ」 米、Wポスト紙が報道
【ワシントン=青木睦】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は四月二十九日の安倍晋三首相の米議会演説をめぐる報道で、首相がアーリントン国立墓地の無名戦士の墓に献花したことや、ホロコースト記念博物館と第二次大戦記念碑を訪れたことを列挙。「首相は歴史や戦争の残酷さに注意を払っていることを見せたかった」という見方を示した。ポスト紙は、慰安婦問題に対する首相の姿勢については「演説で遠回しにほのめかしただけだった」と指摘した。
ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、マイク・ホンダ下院議員ら米議会からも慰安婦問題での謝罪要求が出ていることを紹介したうえで、謝罪について「首相はまたもはっきりしなかった」と報じた。
ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)も「安倍首相は過去の日本の指導者の謝罪を含む声明を支持したが、その言葉(謝罪)を使うことはなかった」と報じた。
2015/05/01 09:23 聯合ニュース
安倍首相は正しい歴史認識示す機会逃した=韓国長官
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は1日、「韓日関係の安定的な発展は、正しい歴史認識に基づかなければならない」とした上で、米議会上下両院合同会議での安倍晋三首相の演説について「正しい歴史認識を示す黄金の機会を自ら逃したのは残念」と述べた。外交安保に関する政府・与党会議で発言した。
発言する尹長官=1日、ソウル(聯合ニュース)
日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定により朝鮮半島の安保が脅かされかねないとの指摘に対し、尹氏は「われわれの事前同意なくしては、いかなる場合も自衛隊がわが領土に入るのは不可能だ」と答えた。また、韓国が外交面で取り残されるのではないかとの観測に対しては、韓国は中国と建設的な協力関係にあり、米国とは原子力協定を改定するなど同盟を強化していると説明しながら、「過度な解釈」とした。
一方、与党セヌリ党の劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表は、韓国の朝鮮半島4強(日・米・中・ロ)外交、特に米日中関係が韓国の運命を左右することになると指摘し、「日本と歴史、安保、経済を今このようにひとまとめにして進むのが成熟した姿なのか、国の利益に合致するのか、悩ましいところ」と話した。
2015/04/30 14:13 聯合ニュース
安倍首相の米議会演説を一斉に批判=韓国与野党
【ソウル聯合ニュース】韓国の与野党は30日、安倍晋三首相が日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で行った演説について、そろって批判した。
与党セヌリ党の劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表は同日の最高委員会議で「侵略と植民地支配、旧日本軍の慰安婦問題に対する心からの謝罪に言及しなかった」と指摘。その上で、「米国と日本が新たに同盟関係を強化する中、韓国の生存戦略は何かを考えさせる演説だった」としながら、政府の対米・対日外交の見直しの必要性を提起した。
金乙東(キム・ウルドン)最高委員も「安倍首相は旧日本軍の慰安婦問題や過去の侵略の歴史について、謝罪はおろか言及さえしなかったことで過去の歴史を清算する機会を完全に無駄にした」と非難した。また、安倍首相について「恥知らずで、実に残念でもどかしい」と述べた。 元外交官の同党、沈允肇(シム・ユンジョ)国会議員はKBSラジオに出演し、安倍首相の演説について「内容や水準は予想の範囲内で、かなり失望的な側面が多かった」と評した。
ホワイトハウス前で安倍首相の歴史観を糾弾する1人デモを行った同党の金宗フン(キム・ジョンフン)国会議員はCBSラジオに対し「初めから終わりまで本当に図々しいとしか言わざるを得なかった」と批判した。また、「米国に対する働きかけを強化し、米国を通じて日本にメッセージを送り続ける努力が必要だ」との考えを示した。
最大野党・新政治民主連合の徐瑛教(ソ・ヨンギョ)院内報道官は論評を通じ「不適切な演説だった」と総評した。その上で「日本が加害を行い、その加害(傷)が残っているにもかかわらず、まるで何事もなかったかのような演説は、われわれの怒りを買わざるを得ない」と指摘した。
また、「安倍首相の演説は韓日関係を悪化させるだけでなく、日本に悪影響を及ぼすことになる」と述べた。
2015/04/30-01:11時事
「期待に届かず」と批判=謝罪、慰安婦言及なし−韓国通信社
【ソウル時事】韓国の聯合ニュースは30日、安倍晋三首相の米議会上下両院合同会議での演説について、「『植民地支配と侵略』などの表現や明確な謝罪の言葉がない上、慰安婦問題には全く言及しなかった」と指摘した。その上で、「歴史に対する謝罪と反省を求めた周辺国の期待に遠く届かなかった」と批判した。
聯合は「第2次安倍政権が、第2次大戦に関して『アジア諸国民に苦しみを与えた』と言及したのは初めて」と指摘。一方で、慰安婦問題に言及しないまま「女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけない」と強調したと皮肉った。
さらに、「韓国などアジアへの謝罪をせず、太平洋戦争と米国人には強い言葉で反省を示す矛盾した態度を見せた」と批判した。
2015/04/30 08:34 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
【社説】米日新同盟は北東アジアに対立を生んではならない
日本の安倍晋三首相が29日(現地時間)、日本の首相としては初めて、米国議会の上下両院合同会議で演説を行った。安倍首相は演説で「過去の敵が今日の友になった。(日米同盟は)自由主義世界の第1、第2の民主主義大国を連結する同盟だ」と述べた。米国を第1の民主主義国家、日本を第2の民主主義国家と表現したのだ。その上で安倍首相は「(米国の立場を)徹頭徹尾支持していく」とも主張した。この日の安倍首相の演説は、米日両国の新たな蜜月時代の幕開けを宣言したものだといえる。
また、安倍首相は「戦後の日本は先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ」との表現を用い、米国との開戦に踏み切ったことについて謝罪した。だが、日本がアジアで引き起こした侵略戦争については「アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と短く表現するにとどまった。米国との戦争を引き起こしたことは謝罪しながらも、日本が侵略戦争や植民地支配によって最も大きな被害を与えたアジア諸国に対しては「謝罪」や「反省」という言葉を最後まで口にしなかった。
安倍首相がこのような演説を行うことはある程度予想されていたことだ。安倍首相は訪米前から、旧日本軍の慰安婦問題や歴史認識問題が出てくるたびに、言い回しを変えたり、あいまいな表現でごまかしたりするなど、悪あがきを続けた。代表的なケースが慰安婦問題だ。安倍首相は最近、日本が強制的に動員した慰安婦たちを「人身売買の被害者」と表現し始め、今回の訪米期間中にも同様の表現を繰り返した。犯罪を犯した主体には言及せず、単なる人身売買の被害者ということにして乗り切ろうとしたというわけだ。
その一方、安倍首相は28日に行ったオバマ大統領との共同記者会見で、慰安婦動員の強制性を認め謝罪した「河野談話」(1993年)について「見直すつもりはない」と述べた。だが安倍首相は昨年6月、河野談話の検証作業を行い「慰安婦の募集や移送、管理が本人の意思に反し、強圧によって行われた」という同談話の中心的な内容が、あたかも韓日両国の政治的な妥協な産物だったかのように主張した。旧日本軍が中国や東南アジア一帯の広範囲な駐留地に慰安所を設置し、運営費を支払ったという事実を隠し、民間業者の犯罪だったと主張して、責任を回避しようという考えを表したのだ。このような政治指導者を相手にしなければならないというのは、今日の韓国に与えられた宿命であり不幸だ。
だが、韓国の外交が今後直面するもっと重要な課題は、今回の安倍首相の訪米を通じて形成された米日両国の新たな同盟関係にどう対処していくかということだ。米日両首脳は今回、両国の同盟関係を全面的に拡大・強化する内容の「共同ビジョン声明」を発表した。両国が連携し、軍事と経済の両面で中国をけん制し、圧力を掛ける内容が中心だ。両首脳は共同声明で「力や強圧による一方的な現状の変更は、国際秩序に対する挑戦だ」と述べた。中国が日本と領有権争いを繰り広げる尖閣諸島(中国名:釣魚島)で軍事行動を行った場合、米日両国が共同で対処することを示唆するものだ。このような方針は、中国とフィリピンやベトナムなどが領有権争いを繰り広げる南沙諸島にも同様に適用される。このために米日両国は、18年ぶりに「防衛協力の指針(ガイドライン)」を改定し、日本の自衛隊が米軍の軍事行動を世界中どこででも支援できるようにした。
オバマ大統領はこのような米日同盟の強化が、中国を包囲し孤立させるためのものではないと主張した。だが、米国が今回、70年間残っていた日本に対する「戦犯国家」という烙印を消し、安倍首相に最高級のもてなしをしたことは、日本を通じて中国をけん制しようという戦略を反映したものといえる。韓国にとって望ましくないのは、米日両国と中国の覇権争いの構図が、韓半島(朝鮮半島)を間に置いたまま形成されているということだ。今回の安倍首相の訪米が、韓国外交に投げかけた最大の宿題がまさのこの問題だ。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は今年夏ごろに米国を訪問する予定だ。これは韓米同盟を強化できる絶好の機会となる。一方、韓中関係もまたおろそかにしてはならない。韓国外交が過去2年余りの無能と無気力から脱却し、国家の生き残りのための戦略を掲げ、これを行動に移していくべき時だ。
2015/04/30 20:30 聯合ニュース
韓国政府は対応苦心 安倍首相の米議会演説
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は30日、安倍晋三首相が米議会の上下両院合同会議で行った演説について声明を発表し、強い遺憾を表明する一方で、対応戦略をめぐり慎重な姿勢をみせた。
安倍首相は演説で侵略と植民地支配、旧日本軍の慰安婦問題に言及せず、韓国政府をはじめとする国際社会の期待に背いたものの、韓国政府は一喜一憂せずに日本の姿勢の変化を促し続けていく方針だ。
安倍首相の演説が始まってから外交部の報道官声明が出るまでに15時間程度かかっており、韓国政府が対応に苦心したことがうかがえる。
声明は「正しい歴史認識を通じ、周辺国との真の和解と協力が成し遂げられる転換点になり得るにもかかわらず、そういう認識も、真の謝罪もなかったことを非常に遺憾に思う」と批判。「日本は植民支配と侵略の歴史、慰安婦被害者に対する残酷な人権蹂躙(じゅうりん)の事実を直視し、正しい歴史認識を持って周辺国との和解と協力の道を進まなければならない」と促した。
「遺憾」という表現を使ったものの、日本は正しい道に進むべきと促すメッセージが強く盛り込まれた。これは6月の韓日国交正常化50周年や8月の戦後70年談話発表を機に韓日関係を改善するべきとのメッセージとみられる。
外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は同日行われた定例会見で「今年、韓日国交正常化50周年を迎え、新しい韓日関係をひらく元年としようという希望を持っている」と話した。 また、「過去の歴史の問題は断固たる立場を持って対処しつつ、安全保障、経済、人的交流など相互に利益のある分野については協力を積極的に推進していくという方針のもと、韓日関係の発展に臨んでいる」と説明。歴史問題に関しては原則を保ちながらも安保や経済など互恵的な分野で協力するという「ツートラック政策」を続ける意向を明らかにした。
また、青瓦台(大統領府)の朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席秘書官は同日、韓国国防研究院(KIDA)などがソウルで主催したセミナーで、日本との関係について「今年中に(慰安婦問題など日本との)歴史問題を解決しようと努力している。歴史と安全保障を切り離して扱い、韓日関係(における問題)を必ず解決する」と述べた。
政府は一方で、日米の蜜月ムードや、日中の接近によって指摘されている韓国の外交的孤立などについては強く否定した。
魯報道官は会見で「米日関係が進展したからといって韓米関係が悪影響を受けたり、韓国外交の失敗と見たりするのは、度を越した解釈で、個人的には極端な考えだと思う」と指摘。韓米関係は過去最高の状態であると強調した。
2015年04月30日 Daily NK
北朝鮮、安倍首相を痛烈批判 「従軍慰安婦被害者を侮辱」
北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、アメリカを訪問中の安倍晋三首相に対して痛烈に非難する記事を掲載した。同記事は30日付の労働新聞にも掲載された。
同通信は、「朝鮮外務省代弁人、過去の犯罪を覆い隠そうとする日本総理の妄言を糾弾」というタイトルの記事を掲載。安倍首相が、従軍慰安婦被害者を侮辱しながら、日本の過去の犯罪を覆い隠そうしていると非難した。また「日本軍性奴隷犯罪をはじめ、すべての反人倫的犯罪に対して素直に認めて謝罪し、徹底的に賠償する道へ進まなければならない」と主張した。
■過去には米オバマ氏を人種差別表現で罵倒
朝鮮中央通信は、今回の記事のなかで安倍首相を精神疾患を罵倒する表現で非難した。北朝鮮の国営メディアは、過去にもアメリカ大統領のオバマ氏に対して人種差別とうけとめられる発言をしていたが、 今回も「精神病者」と精神疾患を罵倒するヘイト・スピーチさながらの表現で安倍首相を痛烈批判している。
朝鮮中央通信は、安倍首相に対して「初歩的な正常の感覚を持たず」「道徳的低劣さと破廉恥さを表している」と非難しているが、「正常感覚」を失って「破廉恥さ」を表現しているのは、他ならぬ北朝鮮国営メディアだということを知るべきだろう。朝鮮中央通信に掲載された記事全文は以下のとおり。
【朝鮮外務省代弁人、過去の犯罪を覆い隠そうとする日本総理の妄言を糾弾】【平壌4月29日発朝鮮中央通信】朝鮮外務省のスポークスマンは、日本総理の安倍が日本軍「慰安婦」被害者を侮辱しながら日本の過去の犯罪を覆い隠そうとまたもやずる賢く振る舞ったことに関連して29日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。
米国を訪問中の安倍は最近、ある講演で、日本軍「慰安婦」に対して「人身売買の被害者」という表現を使ったかとすれば、記者会見でも「慰安婦」問題を人身売買による被害の結果にわい曲する発言を並べ立てた。安倍の発言は、被害者に対する耐えがたい冒とくである。
明白に言っておくが、日本軍「慰安婦」はいわゆる人身売買の被害者ではなく、軍国主義日本が強権を動員して系統的に強行した性奴隷犯罪の被害者である。日本が朝鮮占領と第2次世界大戦の期間に強行した特大型反人倫犯罪は、隠すことも、覆うこともできない厳然たる歴史的事実である。
安倍をはじめとする日本の右翼保守勢力が過去の犯罪について口を極めて否認し、ずる賢い言葉でその責任から回避してみようとするのは、人間の道徳と良心というものはとうてい探して見ることのできない無頼漢、初歩的な正常の感覚も持っていない精神病者の行為だと言わざるを得ない。
日本軍性奴隷問題をはじめ過去の犯罪を謝罪し、清算することに関する国際社会の強力な要求に顔をそむけ、特大型反人倫犯罪を庇(ひ)護している安倍の発言は、日本の道徳的低劣さと破廉恥さの赤裸々な表しである。
安倍が今回、女性人権保護のために国連に資金を寄贈すると言ったが、これもやはり神聖な人権を幾ばくかのお金で駆け引きし、人類を愚弄する汚らわしい行為である。
日本当局が過去の犯罪史をあくまでも覆ってみようとしてその轍(てつ)を再び踏む道へ進み続けるなら、日本は過去の敗戦をしのぐ恥ずべき破滅を免れないであろう。
安倍をはじめとする日本の当局者らは、時代遅れの考え方から脱して国際社会の要求通り、日本軍性奴隷犯罪をはじめ、すべての反人倫的犯罪に対して素直に認めて謝罪し、徹底的に賠償する道へ進まなければならない。
5月1日(金)10時27分 サーチナ
旧日本軍の「元慰安婦生存者」にノーベル平和賞を!・・・韓国で活動推進へ=韓国報道
韓国の女性団体が、旧日本軍の元従軍慰安婦生存者をノーベル平和賞の候補者に推進するため、本格的に活動を始めたことが分かった。複数の韓国メディアが28日に報じた。
韓国の女性団体が、旧日本軍の元従軍慰安婦生存者をノーベル平和賞の候補者にすべく推進しようとする、本格的な活動が始まったことが分かった。複数の韓国メディアが28日に報じた。
韓国女性弁護士会と女性平和外交フォーラムは、元慰安婦たちが女性に対する暴力に反対したり戦争犯罪に対して反省を促すなど、女性の人権や平和のために活動していると主張。慰安婦生存者のイ・ヨンスさん(87)など53人を、ノーベル平和賞の候補者にすべく推進を論議していることを明かした。
推進事業は、慰安婦問題が解決しなければ日韓の歴史的な葛藤も解決せず、東北アジアの平和の維持も難しいとのメッセージが世界に伝えられるという意味もあるという。
韓国女性弁護士会は、約4000人の会員数を持つ韓国最大の女性弁護士団体で、家庭内暴力や性犯罪の被害者を支援している。女性平和外交フォーラムは、シン・ナッギュン元文化観光相やイ・サンヨル元韓国ユネスコ事務総長、イ・ヒョンスク元大韓赤十字社副総裁らが集まる民間団体で、東北アジアの平和に関する交流プログラムや女性の人権に関する活動を行っている。
一方、両団体は27日、「日本の歴史に対する反省と責任の要求・韓米日軍事協力への憂慮を伝える」と題した書簡を米国の議会や駐韓米国大使館に送った。
書簡には「日本政府が歴史を懺悔し、慰安婦問題を解決するように、米国議会が圧迫してほしい」などといった内容が記されているという。(編集担当:新川悠)
2015年4月30日12時52分 朝日
安倍晋三首相が米議会で行った演説を受け、中国国営新華社通信は30日、「歴史問題を巡る謝罪を拒み、米議員の批判を招いた」と題する記事を配信した。
新華社は安倍首相が「痛切な反省」との表現で第2次大戦に言及したことを伝える一方、「相変わらず侵略の歴史と慰安婦問題についての謝罪を拒んだ」と批判。慰安婦問題を巡る日本政府の歴史的責任を追及しているマイク・ホンダ下院議員が「安倍氏が歴史を直視することを拒むのは、慰安婦たちの心に対する侮辱だ」と述べたと伝えるなど、演説に批判的な米議員の声を紹介した。
中国は安倍首相の訪米で今後の日米両国の対中戦略の方向が示されるとみて、強い関心を寄せた。中国の台頭を意識して改定した「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)について、中国外務省は「日米同盟は冷戦時代につくられたものだ。両国はその同盟がアジア太平洋地域の平和と安定を損なわないようにする責任がある」(洪磊副報道局長)などと強い不快感を示した。(北京=林望)