産経ニュース 2016.10.22
【上海=河崎真澄】中国上海市の上海師範大学で22日、「慰安婦」を象徴するという中国人と韓国人の2人の少女を模した像の除幕式が行われた。関係者によると、中韓の少女2人をかたどった像が中国で設置されるのは初めてという。
中韓の団体が昨秋、共同でソウルに設置した像と同じく、それぞれの民族衣装を着て椅子に座る高さ約1メートルの少女の像で、両国の芸術家らが無償で寄贈した。
台風の接近で大雨に見舞われた除幕式には、慰安婦だったと主張する90歳の中国人女性と88歳の韓国人女性らも参加。同大学の中国慰安婦問題研究センターの関係者が除幕した。
大学では22日、教室棟の約340平方メートルに数百点の「証拠資料」を常設展示する「中国“慰安婦”歴史博物館」も開館。像はその棟の正面に設置された。
除幕式に先立ち、この日は同センターの蘇智良・同大教授を中心に、慰安婦問題に関する国際会議も2日間の日程で始まった。中韓のほか日本や台湾、オランダなどの関係者約100人が集まり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」(記憶遺産)への慰安婦資料の早期登録をめざす方針が議題に上った。日本政府がユネスコへの今年の分担金、約39億円を拠出していないことになどついても批判が噴出した。
ユネスコでは昨年、中国側が申請した「南京事件の文書」は記憶遺産に登録したが、慰安婦の関連資料の登録は見送られていた。